天平2年西暦730年建立された真言宗寺院の竹林寺(篁山竹林寺)。
参道と本堂は国の重要文化財で、永正8西暦1511年の建立の本堂は、三間堂としては比較的規模が大きく、また軒回りまで当初材の残りがよい。内部の手挟状の絵様肘木などは瀬戸内地方の中世仏堂の特徴をよく示している。同時代の厨子が残されているのも貴重である。
そのほか、枕草子にも在る平安時代前期の官人、小野篁(おののたかむら)生誕の地としての碑のほか、鐘楼(しゅうろう)や、三重塔跡などがある。
標高535メートルの山頂にあり、蓮の池、竹林が美しく、険しい山の中に突如現れる静寂の世界は、あたかも異世界に訪れたような感動を覚える。
ここにあった三重塔は、現在、東京都文京区にある椿山荘に移設されている。
(引用・文化庁他)